笹井 平1,髙木 三香子1
1西伊豆町田子診療所

連絡先 〒410-3515 静岡県賀茂郡西伊豆町田子943-2 sasaihei@gmail.com
原稿受付 2026年2月16日/掲載承認 2026年3月26日

抄録

目的 高齢者施設におけるCOVID-19集団感染に対して,PCR検査とウイルスゲノム解析を組み合わせた感染制御の有用性を検証し,地域診療所が果たす役割を明らかにすることを目的とした.

方法 2023年1~2月に発生した高齢者施設クラスター2件を対象とした.CDCプロトコル準拠の自作PCR試薬を用いて入所者・職員全員に数日おきのPCRを実施し,陽性検体は次世代シーケンス(NGS)で解析した.同時期の外来COVID-19患者のウイルスゲノム解析データと県内で公開されたデータも比較した.

結果 2回のクラスターで計10名が陽性となり,頻回PCRで早期に感染者を同定・隔離することで感染拡大を防止できた.ゲノム解析により複数株の同定と感染経路の推定が可能であり,職員由来感染を否定できた.外来患者との比較では,施設株は地域流行株の一部であったが必ずしも優勢株とは一致しなかった.

結論 地域診療所が主導するPCR検査とゲノム解析は,高齢者施設におけるクラスター制御と地域流行の把握に有用であった.地域レベルでの検査・解析体制整備は,新興感染症対策に有用と考えられた.

キーワード:COVID-19,高齢者施設クラスター,PCR検査,ゲノム解析

はじめに

 COVID-19パンデミック期において,高齢者施設は密な居住環境により集団感染が発生しやすく,入所者の重症化や死亡リスクが極めて高いことが課題となった.特に過疎地域では医療資源が限られ,迅速かつ継続的な感染症対策の実施が困難であった.著者が勤務する静岡県西伊豆町の無床診療所は,地域の初期診療機関として,集団感染発生時には即応せざるを得ない立場にある.

 感染拡大抑制には,迅速な診断と隔離が不可欠であり,その実現には地域診療所レベルでの柔軟な検査体制の構築が重要である.当診療所では,CDCプロトコルに準拠した自作PCR試薬を用いて低コストかつ高感度のPCR検査体制を整備した1).さらに,地域の高齢者施設でクラスターが発生した際には,頻回のPCR検査を実施し,早期診断と隔離によって感染拡大を抑制した.

 加えて,外来COVID-19患者および施設入所者COVID-19患者から得られた検体についてNGSによるウイルスゲノム解析を実施し,施設内クラスター株と地域流行株との関連を評価することで,診療所が地域流行動向を把握する一助となった.本研究では,地域診療所におけるPCR検査とゲノム解析を組み合わせた実践例を報告し,地域医療における感染症対策の可能性について考察する.

方法

1.PCR検査

 CDCプロトコル「2019-novel coronavirus (2019-nCoV) real-time rRT-PCR panel primers and probes」2)に準拠し,自作PCRキットを作製した.SARS-CoV-2検出用プライマー・プローブセット(N1, N2, RP; IDT 10006713)および内部コントロール用RNase Pプローブ(IDT 10011568)はIntegrated DNA Technologies社から購入した.酵素はOne Step PrimeScript™ III RT-qPCR Mix(タカラバイオ RR600A)を使用し,RNase Pプライマーは同社に合成を依頼した.RNA抽出には,Liら3)の報告に基づき調製したSaliva Lysis Buffer(SLB)を使用した.

2.検体採取およびRNA精製

 検体採取は「国立感染症研究所 病原体検査の指針(第2版)」4)に準拠した.採取した唾液をSLBに混和後,95℃で5分間加熱し,10,000 rpmで2分間遠心した.その上清をテンプレートとしてPCRを行った.ゲノム解析用のRNA抽出にはQIAamp Viral RNA Kit(Qiagen)を使用した.使用後の資材は高圧蒸気滅菌処理後に廃棄した.

3.PCR条件と判定基準

 陽性コントロールにはSARS-CoV-2 Positive Control RNA(タカラバイオ RC351A)を用いた.PCR条件は95℃1分,52℃10分の逆転写反応,続いて95℃10秒と60℃30秒を1サイクルとし,これを45サイクル繰り返した.N1およびN2はFAM蛍光,RNase PはCy5蛍光により検出した.

 検査成立条件は,①陽性および内部コントロールでCt値30以下の増幅を確認すること,②陰性コントロールで増幅を認めないこととした.検体についてはN1またはN2でCt値40以下の場合を陽性と判定した.陽性例については,体外診断用PCR(タカラバイオ)により再確認した.

4.ゲノム解析

 ゲノム解析はOxford Nanopore Technologies社MinION Mk1CおよびNEB社ARTIC SARS-CoV-2 Companion Kit(ONT)を用い,国立感染症研究所の公開プロトコル5)に準拠して実施した.解析にはEPI2ME(Fastq QC + ARTIC + NextClade)およびNextclade(https://clades.nextstrain.org/)を用い,得られた配列はDDBJに登録した.さらに,NCBI Virusを利用して当院外来患者,施設クラスター患者,国立遺伝学研究所から公開された静岡県内患者のゲノムデータを抽出し,比較解析を行った.

5.法的根拠と倫理配慮

 高齢者施設から依頼を受けて実施した自費PCR検査(自作PCR検査キット使用)においては,以下の倫理的配慮に基づき対応した.

 まず,「CDCが公開する緊急使用PCRプロトコルに準拠して自作した研究用試薬を用いること」,「当該試薬は市販の体外診断用医薬品と同等の感度を有するが,体外診断用医薬品ではないこと」,「検査は営利を目的とせず,試薬および消耗品の実費により実施されること」について事前に明示し,文書により十分な説明を行い,同意を得て検査を受託した.

 対象者の職員個人と利用者(意思決定のできない利用者は家族)に対しては,倫理的配慮として「説明・同意書」を交付し,以下の事項について明確に記載・説明した:①検査の目的,②使用する検査手法,③陽性判定の場合には保健所への報告が義務付けられていること,④個人情報の保護と漏洩防止措置,⑤同意は強制されるものではなく,いつでも撤回可能であること.これらを理解し,署名による同意が確認された者のみを対象に検査を実施した.検査結果は,個人情報保護に最大限配慮した上で,高齢者施設に対して報告した.

 本研究で解析したSARS-CoV-2ゲノム配列は,感染症法第15条に基づく行政検査の一環として得られた検体を対象に,積極的疫学調査の目的で実施されたものである.厚生労働省通知(令和3年2月5日「新型コロナウイルス感染症の積極的疫学調査におけるゲノム解析及び変異株PCR検査について」)において,患者本人からの同意取得は不要とされており,同意取得は行なっていない.

 本研究で用いたデータは全て匿名化処理を行い,個人が特定されない形でDDBJに登録し,NCBI(National Center for Biotechnology Information)を通じて公開した.新たに患者情報を取得・利用することは不可能であり,プライバシー侵害の恐れはない.本研究は行政検査結果の二次利用解析であり,追加的な同意は不要と判断し,倫理審査委員会による審査は受けていない.ただし,本研究はヘルシンキ宣言および国内関連指針に準拠して実施された.

結果

1.第1回集団感染(2023年1月)

 高齢者施設1階・ショートステイ用フロアの職員1人(S1:表1-1参照)が発熱後に抗原検査でCOVID-19陽性と判明し,発症時より自宅隔離とした.翌日,同職員を含め施設利用者と全職員(合計約50名)を対象にPCR検査を行ったところ,ショートステイ利用者1人(S2)が陽性となり,Ct値15と極めて低値でスーパースプレッダーと判定され,直ちに隔離した.感染した職員(S1)のCt値は28でウイルス量は比較的低かったが,後日ゲノム解析の結果,S1はBQ.1.1株であった.その後も頻回に入所者と職員全員を対象にPCRスクリーニングを行ったところ,2日目にさらに1人(S3)が陽性化した.S2およびS3のゲノム解析結果はBA.5.2で同一であり,利用者間感染が示唆された.なお,滞在中は陰性であった利用者1人(S4)が帰宅後に発症し,近医にて抗原検査で陽性となったが,検体不足のためゲノム解析は行われなかった.その後のモニタリングでは新規感染は認めなかった(図1表1-1).

経過:感染者は全員軽症であり,帰宅後に発症したS4を除く施設内3人は,1週間程度でCt値が35以上に上昇し,隔離を解除した(図2表1-1).

2.第2回集団感染(2023年2月)

 施設2階・特養フロアの入所者1人(L1: 表1-2参照)が発熱し,PCRでCOVID-19陽性と診断された.同日,入所者および職員全員を対象にPCRスクリーニングを行ったところ,入所者2人(L2,L4)および職員1人(L3)が陽性となり隔離措置とした.その後も頻回に検査を継続し,2日目に職員1人(L5),3日目に職員1人(L6)が陽性化し,感染者は合計6人となった.4日目以降,新規感染者は認めなかった(図1).

 ゲノム解析の結果,職員1人(L5)のみがBA.5.2株で,他の5人(L1,L2,L3,L4,L6)はBF.7株であった.最初に発熱したL1は外部接触歴を有し,Ct値17と極めて低値であったことからスーパースプレッダーと判定され,BF.7株による本クラスターの発端者と考えられた(表1-2).

経過:PCRによる発症前診断で5人を早期隔離し,新規感染は数日で終息した.隔離解除は「Ct値≥35かつ診断日から7日以上経過」を基準とした(表1-2).高齢入所者3人にはラゲブリオを投与し,うち2例(L2,L5)は早期にCt値が上昇し治癒した.L4はCt値が再度低下しウイルス排出が遷延したが,Day10よりレムデシビルを投与したところ,Day16に陰性化し,重症化は回避された(図2表1-2).

表1-1 感染者のゲノム解析結果とCt値の推移(1回目 day1=2023/1/9)

表1-1 感染者のゲノム解析結果とCt値の推移(1回目 day1=2023/1/9)

表1-2 感染者のゲノム解析結果とCt値の推移(2回目 day1= 2023/2/19)

表1-2 感染者のゲノム解析結果とCt値の推移(2回目 day1= 2023/2/19)
図1 ⾼齢者施設集団感染における新規陽性者数と感染者累積数(⽇別)

図1 ⾼齢者施設集団感染における新規陽性者数と感染者累積数(⽇別)
両クラスターとも新規陽性者は数⽇間に集中して検出され,その後は新規感染が認められなかった.
PCRによる頻回の全例(約60名)スクリーニングと早期隔離が,感染連鎖の遮断に寄与した.

図2 感染者別Ct値の推移(左:1回⽬ 右:2回⽬)

図2 感染者別Ct値の推移(左:1回⽬ 右:2回⽬)
第1回クラスターでは,S2が初回検査からCt値17と極めて低値を⽰し,ウイルス排出量が多く発端者と考えられた.他の例は⽐較的早期にCt値が35以上へ上昇し,速やかに陰性化した.
第2回クラスターでは,L1が初回からCt値15と著明に低値でスーパースプレッダーと推定された.L4はウイルス排出が遷延し,Day10より5⽇間のレムデシビル投与後に陰性化した.

3.外来患者のゲノム解析と施設クラスターとの比較

 同時期(2023年1〜2月)に当院外来でCOVID-19と診断され,ゲノム解析が可能であった症例は46例であった.全てがオミクロン株であり,Clade分類は22B,22E,22Dに分布した.NCBIに公開されている静岡県内13例は22Bおよび22Eであり,当地域外来の方が多様であった.施設クラスター株は22Bに限定されていた.

 外来患者の系統が最も多様であり,施設クラスターで検出された株は全て,地域外来株および県全体の流行株の一部として位置づけられた.すなわち,施設内クラスターは地域流行株の一部として発生したと考えられた(図3).

 図4は,外来患者株の系統分布に施設クラスター患者をマッピングしたものである(丸印:第1回S1–S3,星印:第2回L1–L6).外来株は多様な系統に分類され,施設株はその一部に収まっていた.第1回クラスターでは職員(S1)と利用者(S2・S3)が異なる系統に属し,利用者間感染が示唆された.第2回クラスターではL1–L4,L6がBF.7株に属し,L1を発端とする二次感染と考えられた一方,L5は別系統BA.5.2であり,独立した感染経路が推定された.

 さらに外来患者の月別系統推移(図5)では,12月に6系統,1月に16系統,2月に4系統が確認され,1月に株多様性が最大化した.第1回クラスター(1月)は外来で少数派であったBA.5.2株に属し,職員S1は別系統であった.第2回クラスター(2月)は地域で優勢であったBF.7株に属し,外来流行株と一致していた.これらの結果から,施設内クラスターは地域の流行株動向を反映して発生していたと考えられた.

図3 施設クラスター,診療所外来患者,および静岡県全域におけるSARS-CoV-2ゲノムClade分類(2023年1月~2⽉)

図3 施設クラスター,診療所外来患者,および静岡県全域におけるSARS-CoV-2ゲノムClade分類(2023年1月~2⽉)
3つの系統樹は,それぞれ⾼齢者施設クラスター患者,当診療所外来患者,国⽴遺伝学研究所に登録された静岡県全域の患者株を⽰す.外来患者の系統が最も多様であり,施設クラスターで検出された株はすべて,この地域外来株および県全体の流⾏株に含まれる系統に収まっていた.すなわち,施設内でのクラスターは地域流⾏株の⼀部として発⽣したことが⽰唆される.

図4 外来患者と施設患者におけるSARS-CoV-2のPANGO lineage分類(2023年1月~2⽉)

図4 外来患者と施設患者におけるSARS-CoV-2のPANGO lineage分類(2023年1月~2⽉)

図5 外来患者における⽉別SARS-CoV-2系統分布と施設クラスター患者のマッピング(2022年12⽉~2023年2⽉)

図5 外来患者における⽉別SARS-CoV-2系統分布と施設クラスター患者のマッピング(2022年12⽉~2023年2⽉)

考察

 本研究では,地域診療所が主体となって高齢者施設で発生したCOVID-19集団感染に介入し,PCRスクリーニングとゲノム解析を組み合わせて実施することで,短期間での感染制御と感染経路の推定が可能であることを示した.特に,地域診療所が現場で即時に検査を実施できる体制を整備することは,医療資源が限られる過疎地域における感染拡大防止に極めて有効であると考えられる.

 第1回および第2回のクラスター事例において,頻回のPCR検査は発端者や初期感染者の早期同定と隔離を可能にし,感染連鎖の遮断につながった.Aronsら6)は,米国ワシントン州の高齢者施設におけるCOVID-19集団感染を調査し,無症状者が感染拡大の大きな要因となることを明らかにしている.彼らは,症状に基づくスクリーニングでは感染者を見逃すリスクが高く,全例を対象とした頻回PCR検査が感染制御に不可欠であることを報告しており,本研究の結果を支持する.

 さらに,本研究ではゲノム解析を併用することで,感染経路を分子レベルで裏付けることができた.第1回集団感染においては,最初に発症したショートステイ職員に「自責の念」や「罪悪感」が生じることが懸念されたが,ゲノム解析により職員由来感染を否定し,利用者間感染を確認できた.これにより,臨床現場での判断を補強する科学的根拠を提供し,関係者の心理的負担軽減にも寄与した.実際には,ショートステイ利用者が外部からウイルスを持ち込んで施設内感染が拡大したと判明した.ショートステイ利用初日から個室に隔離し,数日間抗原検査と症状をチェックして検疫していたにもかかわらず感染が拡大したことは,検疫を抗原検査ではなく感度の高いPCR検査に変更し,利用者の共有スペースの換気を十分に行う必要性を示唆するものであった.

 第2回集団感染においては,スーパースプレッダーであった入所者が唯一,感染数日前に家族との面会があり発端者と推定された.感染防御の観点から面会場所の換気に問題があったと考えられ,その後,面会場所の換気強化等の再発防止策につながった.

 2回の集団感染では,複数のウイルス系統が存在し,感染経路も複雑であることが明らかになった.第1回目の職員S1(BQ.1.1),第2回目の職員L5(BA.5.2)からは感染拡大が起こらず,利用者から感染が拡大した理由としては,職員には感染防御ルール,特にマスクの適正な装着が徹底されていたのに対し,利用者は高齢で認知機能低下もあり,適正なマスク着用が難しかったことが考えられる.特に食事時の居室の換気が感染拡大防止に重要であると考えられた.

 また,地域外来患者と施設入所者のウイルス系統を比較することで,施設内クラスターが地域流行株の一部として発生していたことが明らかとなった.特に,西伊豆地区では年末年始に観光や帰省による人口流入が多く,都市部からのウイルス持ち込みにより株の多様化が進み,施設への複数株侵入リスクが高まることが示唆された.逆に,ゲノム解析により地域の流行株をモニタリングし,系統が多様化している場合は,施設への感染拡大の危険性が高まると判断し,面会制限や定期的PCR検査の頻度を上げるなどの対策を取ることが望ましい.

 Olteanら7)も,ワシントン州の高齢者施設におけるCOVID-19集団感染においてゲノム解析を行い,施設流行株が地域流行株と一致していたことを報告している.これは,地域レベルでの分子的疫学的監視が高齢者施設における感染防御に有用であることを示しており,本研究の知見と合致する.

 以上より,本研究は,小規模診療所レベルであっても,PCR検査とゲノム解析を組み合わせた対応が施設クラスターの制御と地域感染動向の把握に有用であることを示した.このことは,地域診療所が地域流行の「監視拠点」として果たせる役割を裏付けるものであり,今後の新興感染症対策にも応用可能である.総じて,地域診療所が中心となったPCR体制とゲノム解析の活用は,高齢者施設クラスター制御にとどまらず,地域全体の感染症監視と対策強化に資するものと考えられる.

結論

 本研究では,PCRによる全例スクリーニングとウイルスゲノム解析を組み合わせることで,高齢者施設におけるCOVID-19クラスターを迅速に制御し,感染経路を推定できることを示した.特に,頻回のPCR検査は感染拡大を抑制し,ゲノム解析は発端者や感染経路の同定,さらには職員由来感染の否定に寄与し,関係者の心理的負担を軽減した.

 また,外来症例との比較解析により,施設クラスター株は地域流行株の一部に含まれるが,必ずしも地域で優勢な株と一致しないことが明らかとなった.地域における株多様化が進む時期には,施設への複数導入リスクが高まることが示唆され,地域診療所が地域流行を監視し,施設感染対策へ迅速にフィードバックする意義が確認された.

 今後の新興感染症対策においては,地域診療所や中小医療機関におけるPCR検査・ゲノム解析体制の整備が求められる.教育体制の充実やコスト低減を支える公的支援も不可欠である.こうした体制は高齢者施設のみならず,病院や学校など集団生活の場における感染制御にも応用可能であり,地域診療所が中核となることで地域全体の感染症対応力を高められると考えられる.

謝辞

 高齢者施設での全例PCR検査と感染拡大防御に貢献してくださった,社会福祉法人梓友会・特別養護老人ホーム・太陽の里の大石良江看護主任(現 アットケア訪問看護ステーション),小笠原栄子看護師,石田勝生活相談員,谷田部香介護福祉士をはじめ施設スタッフの皆様,渡辺サチ子施設長,川島優幸理事長に深謝いたします.SARS-CoV2ゲノムデータのDDBJの登録にあたり,ご指導頂きましたDDBJデータベース部門・青野英雄氏に心からお礼申し上げます.

 また,本論文の文法および表現の明瞭性向上のために,ChatGPT(OpenAI社)を使用した.最終的な内容については著者らが責任を負います.

文献

1) 笹井平,髙木三香子:へき地無床診療所における自施設内PCR検査体制の構築と初期運用:COVID-19パンデミック初期の実践報告.月刊地域医学 2025;39:1070-1078.

2) CDC.“2019-novel coronavirus (2019-nCoV) real-time rRT-PCR panel primers and probes” https://stacks.cdc.gov/view/cdc/84525 (accessed 2025 Sep 30)

3) Li Z, Bruce JL, Cohen B, et al: Development and Implementation of a Simple and Rapid Extraction-Free Saliva SARS-CoV-2 RT-LAMP Workflow for Workplace Surveillance. PLoS One 2022; 26; 17(5):e0268692.

4) 国立感染症研究所.新型コロナウイルス感染症(COVID-19)病原体検査の指針 第2版.https://www.mhlw.go.jp/content/000693595.pdf (accessed 2025 Sep 30)

5) 糸川健太郎.新型コロナウイルスゲノム解読プロトコル Oxford Nanopore Mk1c & NEB ARTIC SARS-CoV-2 Companion Kit (ONT) 編 – version 1.6 (2022/01/27) https://id-info.jihs.go.jp/relevant/manual/010/SARS-CoV2_genome_analysis_manual_Nanopore_NEB_ver_1_6_220127.pdf (accessed 2025 Sep 30)

6) Arons MM, Hatfield KM, Reddy SC, et al: Presymptomatic SARS-CoV-2 Infections and Transmission in a Skilled Nursing Facility. N Engl J Med 2020; 382(22): 2081–2090.

7) Oltean HN, Black A, Lunn SM, et al: Changing Genomic Epidemiology of COVID-19 in Long-Term Care Facilities during the 2020-2022 Pandemic, Washington State. BMC Public Health 2024; 24(1): 182.


Hitoshi Sasai1, Mikako Takaki1
1Nishiizuchou-Tago Clinic

943-2, Tago, Nishiizuchou, Kamogun, Shizuoka, 410-3515, Japan  sasaihei@gmail.com
Received 2026 Feb 16/Accepted 2026 Mar 26

Abstract

Background: This study aimed to evaluate the effectiveness of combining SARS-CoV-2 PCR testing and viral genome analysis for controlling COVID-19 outbreaks in a long-term care facility and to clarify the role of a rural primary care clinic in outbreak management.

Methods: Two COVID-19 cluster outbreaks that occurred in a long-term care facility between January and February 2023 were investigated. All residents and staff underwent repeated PCR screening using an in-house assay based on the CDC protocol. Positive samples were subjected to next-generation sequencing (NGS). Viral genomes were compared with those obtained from contemporaneous outpatient COVID-19 cases at our clinic and publicly available sequences from Shizuoka prefecture.

Results: A total of 10 individuals tested positive across the two outbreaks. Frequent PCR screening enabled early identification and isolation of infected individuals, preventing further transmission. Genome sequencing identified multiple viral lineages and allowed inference of transmission routes, excluding staff-origin transmission in one cluster. Comparison with community cases showed that facility strains were part of circulating regional lineages but did not necessarily correspond to the predominant strains at that time.

Conclusions: PCR screening combined with genome analysis led by a rural primary care clinic was effective for outbreak control in a long-term care facility and for monitoring local viral trends. Establishing local diagnostic and genomic surveillance capacity may strengthen preparedness for future emerging infectious diseases.

Keyword: COVID-19, Long-term care facility outbreak, PCR screening, Viral genome sequencing